ベトナム、紅海の緊迫化で欧米への海上運賃が前年末比6割上昇

ジェトロビジネス短信記事によると、紅海とスエズ運河の航路回避の動きに伴い、ベトナムから欧米向けの海上運賃の上昇が進んでいるとのこと。ベトナム海事局の報告によると、アジア地域から欧州、米国向けの海上運賃は1月第1週に2023年末比で60%、前年同期比で25%上昇したとのことです。

■海上運賃値上がり状況
・ベトナムから米国西海岸向けの40フィートコンテナの海上運賃は2,650ドル
・ベトナムから米国東海岸向けは3,900ドル
・ベトナムから欧州向けは4,900ドル

2023年末から紅海の緊迫化の影響で、海運企業は南アフリカ共和国の喜望峰を経由する航路に変更に伴い、輸送日数も以前より10~14日長くかかり、海上運賃の高騰を招いているとのことです(「トイチェ」紙)。

■ベトナム各業界関係者による輸出活動への影響についての発言(「ティエンフォン」1月30日、「VOV」1月24日)
ベトナム繊維アパレル協会(VITAS):
ベトナムの繊維・衣料品企業の主な輸出先は欧米。数週間前から多くの出荷が迂回輸送を余儀なくされ、納期が2〜3週間延長されている。

水産物の輸出を専門とするカファテックス・シーフードのゼネラルディレクターのグエン・バン・チャック氏:
ベトナムの水産物輸出の最大80%が米国の東海岸、カナダ、欧州向けで、紅海航路回避の影響を大きく受けるため、水産業界は困難に直面している。輸送日数の長期化が続けば、コンテナ需給が逼迫する恐れもあり、海上運賃のさらなる上昇が予想される。そのため、北東アジア市場への一部展開を検討している。

ベトナム機械企業協会(VAMI)のダオ・ファン・ロン会長:
紅海情勢の影響はあるものの、ベトナムの機械メーカーは国内または近隣諸国の取引先向けに生産を行っているため、他の産業ほど輸出活動に影響は出ていない。

ジェトロビジネス短信記事
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/3f648dd7c50b4e6e.html

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